表記ゆれを検出する

10万文字まで。

表示する揺れの種類

プログラムのコードを含む文書では、大文字小文字の揺れが大量に出ます。 散文の校正では外してください。

検出結果

同じ文書に2つ以上の書き方が両方出ている場合だけを示します。 片方しか出ていなければ、その文書では表記が決まっているとみなして報告しません。 どちらが正しいかは判定しません。 出現回数の多い順に並べているだけで、多いほうが正しいという意味ではありません。

一括置換は用意していません。 置換は前後を見ずに行うと事故になります (`引越` を `引っ越し` に置き換えると `引越し` が `引っ越しし` になります)。 行番号を手がかりに、お使いのエディタで置き換えてください。 入力データはサーバーへ送信されません。

表記ゆれを検出する

文章を貼り付けると、同じ文書の中で同じものが違う書き方をされている箇所を探します。 辞書を持たず、その文書に両方の書き方が実際に出ているものだけを報告します。 処理はすべてブラウザの中で行われ、入力した文章がサーバーへ送られることはありません。

表記ゆれとは何か、なぜ問題になるのか

表記ゆれとは、同じ語が同じ文書の中で違う書き方をされている状態です。 「サーバ」と「サーバー」、「引っ越し」と「引越し」、「Web」と「ウェブ」のように、 どちらも間違いではないのに混在している場合を指します。

困るのは次の3点です。

  • 検索できなくなる — 文書内検索でもサイト内検索でも、「サーバー」で検索した人に「サーバ」の項目は出てきません。 マニュアルやヘルプで、これが一番実害の大きい問題です
  • 読み手が別のものだと思う — 同じ文書に「利用者」と「ユーザー」が混ざっていると、 読み手は「書き分けているのだろうか」と考えます。考えさせた時点で損をしています
  • 雑に見える — 内容が正しくても、表記が揃っていない文書は目が粗く見えます。 複数人で書いた文書ほど起きやすく、そのまま公開されがちです

どちらに揃えるべきかは文書によって違います。 社内の用語集がある、業界の慣習がある、既存のページに合わせる必要がある。 このツールはどちらが正しいかを判定しません。 出現回数と場所を示すので、選ぶのは書き手の仕事です。

送り仮名の使い分け

送り仮名の付け方には公的な基準があります。 「送り仮名の付け方」(昭和48年内閣告示第2号、平成22年に一部改正)で、 公用文や教科書はこれに従っています。 ただし基準そのものが複数の書き方を認めているため、 従っていても文書内でゆれます。

この基準は7つの通則からなり、それぞれに本則・例外・許容が置かれています。 「許容」があるのが要点で、たとえば次のようになっています。

基準が複数の書き方を認めている例
語本則許容・慣用
あらわす表す表わす
おこなう行う行なう
もうしこみ申し込み申込み / 申込
うけつけ受け付け受付け / 受付
ひきかえ引き換え引換え / 引換

複合語の名詞は特にゆれます。 通則6の許容で「読み間違えるおそれのない語は送り仮名を省いてよい」とされ、 さらに通則7で、慣用が固定している名詞は送り仮名を付けないと定められています。 「受付」「引換」「取扱」のように、掲示や書類で送り仮名なしの形が定着している語です。

つまり「申し込み」「申込み」「申込」はどれも基準の範囲内です。 どれを使うかは決めの問題なので、文書の中で揃っていることだけが実際の判断基準になります。 迷う場合は、動詞は本則どおり送り、 帳票の項目名や見出しなど名詞として使う場合は送り仮名を省く、と決めておくと揺れにくくなります。

長音記号を付けるか

「サーバ」か「サーバー」か。「コンピュータ」か「コンピューター」か。 これは時期によって推奨が変わったため、古い文書と新しい文書が混ざると必ずゆれます。

技術文書で長く使われてきたのは、JIS の規格票の書き方に由来する慣行です。 英語の語尾が -er / -or / -ar で終わる語について、 3音以上の語は長音記号を省き、2音以下の語は付けるという書き分けでした。

従来の慣行
音数扱い例
3音以上長音を省くコンピュータ、サーバ、プリンタ、ユーザ
2音以下長音を付けるカー、データ(例外)、キー

この慣行が、技術系の文書に「サーバ」「プリンタ」が多い理由です。

一方で近年は長音記号を付ける方向に寄っています。 マイクロソフトが2008年に自社の表記ルールを変更し、 原則として長音記号を付ける(「サーバー」「コンピューター」「プリンター」)と決めたことが大きく、 一般向けの文書やウェブでは付ける形が主流になりました。 国語辞典や新聞の表記も、日常語としては長音を付ける形を採っています。

どちらが正しいということはありません。 読者が誰かで決めてください。 技術者向けの仕様書なら省く形、一般利用者向けの案内なら付ける形が馴染みます。 決めたら文書内で統一する、それだけです。

このツールが検出しないもの

このツールは辞書を持ちません。 「この語の正しい表記はこれ」という表を持たず、 入力された文書の中に2つ以上の書き方が両方出ているかどうかだけを見ます。

この設計には利点と限界があります。利点は次の2つです。

  • 製品名や社内用語のように、辞書に載っていない語のゆれも拾える
  • 「一般的にはこう書く」という押し付けをしない

限界は次のとおりです。これらは意図的に検出していません。

  • 末尾だけが違う送り仮名 — 「落とす」と「落す」、「引越し」と「引越」は検出しません。 これらは「話す」と「話した」、「設定」と「設定する」と構造が同じで、 形態素解析なしには区別できないためです。 拾おうとすると、活用形やサ変動詞が大量に誤検出されて使い物になりません。 漢字と漢字の間にある送り仮名の違い(「引っ越し」と「引越し」、 「申し込み」と「申込み」)は検出します
  • ひらがなが続く中に埋もれた語 — 「そのときは」の「とき」のように、 前後もひらがなで語の切れ目が分からない場合は拾えません。 文字種の切り替わりを語の境界としているためです。 「するとき。」のように語末にある場合や、 漢字を含む「時」は問題なく検出します
  • 辞書がないと分からない言い換え — 「利用者」と「ユーザー」、「打ち合わせ」と「ミーティング」のように、 文字の上で共通点がない言い換えは検出できません。 同じものを指しているという知識は、文書の中からは得られないためです
  • 活用形 — 「書く」と「書いた」は同じ語の活用であって、ゆれではありません
  • 1文字の語、2文字以下の英字の大文字小文字 — 「AM」と「am」のように意図的に使い分ける場合があるため対象外です

読みが同じで表記が違う語の表

「ください」と「下さい」のように読みが同じで表記だけが違う語は、 文字を比べても同じ語だと分かりません。判定には読みが必要で、読みを得るには形態素解析が要ります。 そのため、この種類だけは定数表による限定対応にしています。 収録しているのは次の44組で、表にない語は検出しません。

検出する表記の組(44組)
かな漢字
ください下さい
いただく頂く
とき時
こと事
もの物
ところ所
ほう方
ため為
できる出来る
わかる分かる
ぜひ是非
すでに既に
ほとんど殆ど
たくさん沢山
まったく全く
もちろん勿論
やはり矢張り
さらに更に
あらかじめ予め
おそらく恐らく
ただし但し
なお尚
および及び
ならびに並びに
または又は
したがって従って
たとえば例えば
とくに特に
つねに常に
きわめて極めて
すべて全て
ふたたび再び
ただちに直ちに
すみやかに速やかに
あわせて併せて
かならず必ず
なぜ何故
いつも何時も
ほか他
など等
ころ頃
とおり通り
わたし私
だいたい大体

「行く」と「いく」、「見る」と「みる」は入れていません。 「行った」が「いった」とも「おこなった」とも読めるように、 表記が同じでも読みが分かれる語は、誤検出のもとになるためです。

このツールの使い方

  1. 文章を貼り付ける。入力と同時に検出します
  2. 「表示する揺れの種類」で絞り込む
  3. 結果の行をクリックすると、入力欄の該当箇所が選択されます
  4. 「結果をコピー」で一覧をテキストとして持ち出せます

プログラムのコードを含む文書では、大文字小文字の揺れが大量に出ます。 html と HTML、json と JSON のような 識別子がすべて拾われるためです。散文の校正では種類から外してください。

一括置換を用意していない理由

このツールは検出と位置の提示までで、置換は行いません。 置換は前後を見ずに行うと壊れるためです。

「引越」を「引っ越し」に一括置換すると
  引越   → 引っ越し    (意図どおり)
  引越し → 引っ越しし  (壊れる)

どの出現を置き換えるべきかは、その箇所を見ないと決まりません。 行番号を手がかりに、お使いのエディタで1件ずつ確認しながら置き換えてください。

うまくいかない場合

  • 結果が出ない — 両方の書き方が同じ文書に出ていない可能性があります。 片方しか出ていない場合、その文書では表記が決まっているとみなして報告しません
  • 関係のない語が出る — 辞書を持たないため、文字の形が近い別語を拾うことがあります。 種類で絞り込むと減らせます
  • 送り仮名の表示が途中で切れている — 送り仮名の比較には末尾のかなを使わないため、 見出しは「引っ越」のように末尾が欠けた形になります。 実際の語形は、その下の行番号付きの行で確認してください
  • 10万文字を超える — 上限を10万文字にしています。章ごとに分けて調べてください